2013年6月3日月曜日

第四回 : イチローを観にNYヤンキーススタジアムへ (3)


打席に立つイチロー選手

「お姉ちゃん、ファールボール取ったら僕にちょうだいね」
前の座席の男の子が振り向いて、青い目をくりくりさせながら頼んできました。

「お姉ちゃんは素手だからな、俺がこのグローブで取ってやるよ」
と、隣の席の男性。今日のピッチャーはCCサバシアだから、相手チームの攻撃陣はボールを引っかけてファールばかり出るだろうとのこと。
けれどファールはなかなか飛んできません。 7回攻守替えの頃には男の子も半ベソ気味。

すると隣の男性が立ち上がり、一塁に向かって大声で叫びました。
「おーい、スウィッシャー。この将来の大リーガーboyにボールを投げてやってくれ」
直後、スウィッシャー選手がキャッチボールで使っていたボールが、男性のグローブに吸い込まれました。
「これがアメリカ野球の文化なのさ」
ボールを男の子に渡しながら、彼が誇らしそうに胸を張ったのが印象に残っています。



ボールを手にしてご満悦