2013年5月31日金曜日

第四回 : イチローを観にNYヤンキーススタジアムへ (1)

たしか7月下旬だったと記憶しています。 夕ご飯の友にMLB(メジャーリーグ野球)中継でも観ようかとTVをつけました。
映ったのはシアトルで開催されているヤンキース対マリナーズの夜試合。

マリナーズの本拠地シアトルは、バンクーバーから南に向かって230キロほど、車なら2時間半の距離です。
MLB観戦のバスツアーも出ているので、滞在中にイチロー選手の雄姿を見に行くつもりでした。


ビールを冷蔵庫から取りだし、テーブルについてTVの画面を見た途端、私は「あっ」と声をあげました。
イチロー選手が敵のNYヤンキースのユニフォームを着て打席に立っているのです。 しかも背番号は「51」でなく「31」。

ドッキリか、それとも何かのアトラクションか。やがてヤンキース側の攻撃が終わり、イチローは一塁側ベンチではなく、敵の3塁側ベンチへ駆けていきました。 この瞬間、ようやく私は状況を飲み込めました。
イチローはヤンキースへ移籍したのです。 TVの解説によれば、その日の午後、シーズン途中での移籍発表記者会見が行われたのだという。
わずか3時間後、イチローは新たなユニフォームに袖を通し、古巣のチーム相手に、古巣のグランドで試合に臨んだのでした。


NYに行こうと、次の瞬間には心を決めました。
ベーブ・ルース、ジョー・ディマジオといった野球史に残るスター選手を輩出した名門ヤンキースとイチローの組み合わせは見逃せません。
現役でもジーターやAロッド、リベラ、サバシアなどオールスター級の選手が揃っています。

ひとりで初NY旅行はいささか気が張りますが、メジャーリーグファンとしては、人生に一度はヤンキースタジアムで試合観戦したいものです(と、野球好きのアメリカ人なら誰でも願うのだとか)。

問題は観戦チケットの入手です。 メジャーリーグで最も人気のあるヤンキースの本拠地戦チケットは入手困難。
ほとんどの席が年間シートで、一般発売される枚数は前売り券すらごくわずか。2009年に新しいスタジアムになってからは世界中の野球ファンが訪れるようになり、一層むずかしくなっているそう。

旅行会社のツアーに参加する方法もありますが外野席です。 バックネット裏とはいかなくても、やっぱり内野席10列以内で観たい。
だけど予算は200ドル以内。旅行会社に個人手配の相談をすると、内野席チケットは額面でも500から1000ドル以上すると教えられました。


Mr.NYヤンキースことジータ選手